「いらっしゃいませ」と同じくらい、
「また来てくださいね」と無事に送り出すために。
人口3800人の私たちの町には、年間100万人を超えるお客様が訪れます。
多くは、その日のうちに帰路につく「日帰り観光客」の方々です。
自然災害が頻発する日本において、ふと考えさせられた瞬間がありました。
宿に泊まっているお客様なら、宿が避難を導ける。
地域に暮らす住民なら、自治体や地区が身を守る。
では——このまちを訪れている最中に災害が起きたとき、「日帰り観光客」は一体誰が守るのだろう?
避難所の場所も知らず、交通も遮断され、路頭に迷うかもしれない観光客や旅行者たち。
行政の地域防災計画にも、個々の事業者のマニュアルにも入っていない、ぽっかり空いた「空白」に気づいたとき、強い危機感を覚えました。
観光地として人をお迎えする以上、笑顔で「いらっしゃいませ」と言うのと同じくらい、「また来てくださいね」と無事に送り出す備えをしておきたい。。
この3年間、私たちは手探りで
観光危機管理に取り組んできました。
危機管理という分野は、普段は光が当たりにくく、優れた工夫があっても世の中に出にくい現状があります。しかし、災害の多い日本において、これからの観光地は危機管理と切っても切れない時代を迎えています。
「絶対に安全です」とは言えなくても、日々の備えや人材育成を通し、観光客に寄り添う体制をつくる「安心」と言える観光地でありたい。
だからこそ、全国の現場で地道に取り組まれている知恵や挑戦を表彰し、世の中に届ける機会をつくりたいと考えました。集まった全国の実践知は「観光危機管理白書」として編纂し、ご応募いただいたすべての地域へ共有します。
日本の「安心」は、何よりも誇るべき観光資源だから。
あなたの現場で育まれた大切な取り組みを、ぜひお聞かせください。