ハンドルを握るのではなく、ガードレールをつくる
東京で働いていた頃は、とにかく仕事漬けでした。地域の事業に入り込み、全国を飛び回って企画をつくり、補助金事業を設計し、地域の人たちと一緒に実装まで持っていく。海外の商談にも参加しました。大変でしたけど、そこで「現場に行くこと」の大切さを徹底的に学びました。
だから南小国に来て協力隊のみなさんと話していると、正直「こうしたらもっと進むのに」と思うことはたくさんあります。僕自身、目の前に課題があればすぐ動きたいタイプだし、前職ではそれが仕事でもありました。
いまはむしろ、手を出さないことを覚えているところです。コーディネーターが答えを出してしまえば、きっと早い。でも、それでは本人の力にならない。僕たちの役割はハンドルを握ることではなく、危ないところにガードレールをつくること。そして答えを渡すのではなく、本人が考えるための問いを投げることだと先輩から教わりました。
そして協力隊のみなさんにはそれぞれにやりたいことがあって、すでに自分の軸を持って動いている人も多い。だから僕は、その可能性をもっと加速させたい。成功したときに、僕が表に立つ必要はありません。
3年間の任期が終わったあとも、自分で考え、人を巻き込み、仕事をつくり、走っていける。その力をどれだけ残せるか。僕自身もいま、引っ張る側から人の力を引き出す側へ。彼らの可能性を最大化するプロデューサーとして、ともに走り続けます。